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制の「一級船長」コースと、船種・航行区域等に制限はないがトン数で7,500総トン並びに機関出力で15,000Kw(主機・補機)までの船舶に制限される3年制の「二級船長」コースがある。
いずれも、在学中に短期と長期の乗船実習があり、サンドイッチ・システムを採っている。練習船による乗船実習は廃止し、現在は船会社に委託して実習させている。
これらの船舶職員養成コースは、1991年にシュミレータ訓練の導入により教育訓練期間、特に乗船実習期間が大幅に短縮された。
一級船長コースと二級船長コースは船長と機関長両方の職域に従事する免状資格を取得できる養成コースであり、船舶職員を養成するこれらのコースは、ルアーブル、サンマロ、ナント及びマルセーユにある4つの国立商船大学で行われている。ちなみに、一級船長コースは現在ルアーブル、ナント、それにマルセーユの3大学で、また二級船長コースはナントとサンマロの2大学で、それぞれ開設されている。

 

?A 甲・機両用の船舶職員養成
一級船長コースは、4年制の大学教育システムをとって甲板部と機関部両用の職員を養成するもので、4カ年の座学とこの間に4回の乗船実習を取り入れているサンドィッチ教育である。
3年次までは各年の座学終了時に試験があり、これに合格して見習生として所定の乗船実習を受ける。そして、3年次終了後の甲板部と機関部にわたる4ヵ月の士官候補生としての乗船実習を終えた段階で、商船士官の免状資格を取得できる。
この免状を取得すると、航海士であると同時に機関士でもあり、正式な職員として乗船勤務することができる。ただし、一つの船舶で同時に航海士と機関士両方の職務に従事することはできない。
この一級船長コースでは、4年次に進む前に、商船士官として甲板部と機関部にわたる6ヵ月の海上勤務を行う。そして、4年次の座学終了時の卒業試験に合格することによって、一級船長コース修了証明書を授与される。
卒業後は商船士官として甲板部と機関部にわたり36ヵ月の乗船履歴を経過した時点で、甲・機両用の一級船長の免状資格を取得できる。

 

?B 船員配乗
甲・機両用船員の配乗は近代化船・在来船の区別なく行われており、フランスでは法的にも技術的にも近代化船と在来船を区別する基準を設けていない。従って、近代的な船舶に乗り組む船員に対し特別な教育訓練は行っていない。
フランス籍船の乗り組み定員及びその職域構成については、フランスには法的なミニマム・マンニング規定がなく、船種・船型・機械設備装置・就航区域、その他安全

 

 

 

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